秋の行楽シーズン、お出かけの予定も増えますが、わが子の「乗り物酔い」が心配な親御さんも多いかもしれません。乗り物酔いの薬を使う場合、子どもにいつ、どのように飲ませるのがよいのでしょうか。耳鼻咽喉科医のいなばクリニック院長の稲葉岳也先生と、製薬会社のエーザイで子ども向け乗り物酔い薬のマーケティングを担当する薬剤師・新藤えりかさんに、子どもの乗り物酔い薬の「正しい付き合い方」についてお聞きしました。※前編<子どもの「乗り物酔い」どうしたら防げる? 遠足・旅行前に知っておきたい仕組みと9つの対策【医師に聞く】>から続く
【図表】子どもの「乗り物酔い」を防ぐ9つのポイント子どもの乗り物酔い、薬で防ぐことができる?
――子どもが乗り物酔いしやすく、心配です。薬で防げますか?
稲葉岳也先生(以下、稲葉) 乗り物酔いは不安や緊張感からも引き起こされやすくなります。一度でも乗り物酔いを経験していると、乗り物に乗ったときに、「また酔ってしまうのではないか」と不安や緊張が大きくなってしまい、それがまた酔いを引き起こしやすくしてしまいます。
心配な場合は、乗車の約30分前(服用する薬の添付文書に明記された時間)にあらかじめ乗り物酔い薬を飲ませましょう。事前に服用せずとも、酔ってからでも飲める薬を持っていけば万全です。
――子どもが乗り物に乗って気分が悪くなってきた際に、薬はどのタイミングで飲ませたらよいのでしょうか。
稲葉 乗り物酔いの兆候を示した場合、つまり、胸がムカムカしてあくびや生つばが多く出てきたら、すぐに服用させるとよいでしょう。
薬の服用と同時に、窓を開けて新鮮な空気を入れたり、着ている服の首元やベルトを緩めたりすると、気持ち悪さもずいぶん楽になってきます。
車にのるたび、薬を飲んでも大丈夫?
――乗り物酔い薬は、車に乗るたびに飲んでも大丈夫ですか? 飲むことがクセになったりしませんか?
稲葉 乗り物酔い薬は、一般的に、乗り物に乗車するたびに飲んだとしても、とくに問題はありません。
――小学1年生で初めてのバス遠足という場合、乗り物酔いをしたことがない子であっても、念のため事前に薬を飲ませたほうがいいですか?
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