子ども用として、5歳から14歳まで飲める子ども専用薬や5歳以上から大人まで家族みんなで飲める薬などが販売されています。子どもでも飲みやすいように、フルーツ味のドロップタイプ、口に含むとさっと溶けて水なしで飲めるチュアブルタイプなど、形状の工夫がされている製品もあります。3歳から飲める薬を出している会社もあります。

――乗る前に薬を飲んでいても、乗車中に気持ち悪くなったら、途中でもう一度飲んでも大丈夫ですか?

新藤 当社の製品でいえば、基本的には服用回数に上限があり、服用には4時間以上の間隔を空けることが推奨されています。つまり、途中で気分が悪くなった場合には、飲んでから4時間以上経過していれば、再度服用することは可能です。服用間隔や一日の摂取回数はそれぞれの薬の添付文書に従うようにしましょう。

――服用による副作用などはありますか?

新藤 乗り物酔い薬の一般的な副作用は「眠気」です。自律神経を落ち着かせるための成分が含まれているため、どうしても多少の眠気は生じやすいです。

 ただし、なかには、眠くなりにくい成分を配合した薬もあります。スポーツの試合前や試験など、集中が必要な活動を予定していて、眠気が気になるという場合には、こうした薬を選ぶことも選択肢の一つです。最近では、アミューズメントパークの動きの激しいアトラクションの酔い止めとして飲む人たちも増えているようです。

 このように、薬を適切に使うことで、乗り物酔いのつらい症状も予防・軽減することができます。ぜひ、上手に使って、旅行や遠足を楽しく過ごしてくださいね。

※前編<子どもの「乗り物酔い」どうしたら防げる? 遠足・旅行前に知っておきたい仕組みと9つの対策【医師に聞く】>から続く

(取材・文/石川美香子)

稲葉岳也医師のお話をもとに編集部で作成
子どもの「乗り物酔い」どうしたら防げる? 遠足・旅行前に知っておきたい仕組みと9つの対策【医師に聞く】
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