「まだ財務省の役人だった片山さつきが『鳩山先生は高校時代、全国模試で1位、1位、3位、1位だったそうですね』と聞くと、邦夫は自慢そうに『そうだ』と答えた。すると片山さつきが『私は1位、1位、1位、1位でした』と勝ち誇ったように言ったというのです」(「日刊ゲンダイ」2010年3月18日)
片山と同じようなルートをたどったのが、弁護士の山口真由(筑附2002年卒)。東京大法学部を「首席」で卒業し財務省の官僚となっている。
「中学3年生のときには、なんと全国で1位をとれたのです。すると模試を主催する塾から東京の高校を受けてみませんかと電話をいただきました。都内でもトップクラスの高校を受験することになり、結果は合格。(略)結婚前の雅子さまの姿を見て、官僚ってかっこいいなとすごく憧れていました。父に話すと、『官僚になるには東大の文Ⅰに行かないとな』と言われて、それが東大をめざすきっかけになりました」(朝日新聞「EduA」2019年6月4日)
なるほど、1位、首席の面目躍如だ。
八田亜矢子、影山優佳も卒業生
芸能界にも筑附は存在感を示した。八田亜矢子(2003年卒)は「ミス東大」に選ばれバラエティー番組に出演した。
影山優佳(2020年卒)は元日向坂46メンバーとして筑附在学中からアイドルとして活躍する一方、サッカー審判4級の資格をもち、2022年ワールドカップではサッカーに対する博識ぶりが注目された。筑附OGの底力である。
2020年代、東京大合格者数は50人に届かない。合格者100人時代のOB・OGからすればもの足りないかもしれないが、それだけ進路が多様になったとポジティブに見ることもできる。元プロ野球選手の遠藤良平、元リーグ・サッカー選手の添田隆司がいる。お笑い芸人もいる。さすが悠仁親王を受け入れる度量はある。日本を元気にする人材をたくさん送り出してくれるかもしれない。
<後編「筑駒はなぜ秀才が集まる学校になったのか? 歴史とOBからみる学校の『素顔』に続く」
(文/教育ジャーナリスト・小林哲夫<文中敬称略>)