どんな子におすすめ?

『りすねえさんのさがしもの』(大久保雨咲 作/かじりみな子 絵/光村図書出版 刊)

 日常の些細なことが気になる、感受性豊かなお子さんにおすすめ。

 たとえば3つめのお話「りすねえさんと絵かきのタビー」では、木の実を拾いながら「秋だなあ……」と歩くりすねえさんの顔に、風で一枚の絵がはりつきます。それはツグミの絵かき「タビー」が描いた絵でした。タビーと、ひめねずみの男の子も参加して旅に出たいけれど、家を留守にするのもイヤという複雑な心を語り合います。

 わざわざ知らないところまで足を伸ばして、もしつまらなかったら? とためらうのも、日常を丁寧に味わって楽しんでいるからこそ。身になじんだ物事を大切にする一方、ひそかに新しい場所にあこがれる気持ちを持っている子なら、きっと、りすねえさんを好きになるはずです。続編『りすねえさんとゆきの日の手紙』も合わせてぜひどうぞ。

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りすねえさんのさがしもの(「りすねえさんのおはなし」シリーズ、飛ぶ教室の本)

大久保雨咲,かじりみな子

りすねえさんのさがしもの(「りすねえさんのおはなし」シリーズ、飛ぶ教室の本)
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大和田佳世
ライター 大和田佳世

絵本・児童書のライター。出版社勤務を経て2009年よりフリーランスに。絵本・児童書情報サイト「絵本ナビ」や朝日新聞社が運営する本の情報サイト「好書好日(こうしょこうじつ)」などの他、雑誌「MOE」、出版社の各Webメディアで執筆。作家、翻訳家へのインタビュー多数。小中高の3人の子と暮らす。

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