そうはいっても彼だって私と同じペースで歳をとっているわけで、新たな学びがキツくなっているのは同じはず。でも子どもが一生懸命頑張っていることに関わっているうちにいい経験を重ねているところは素直に見習いたい。

 思い返せば私だって長男がハマったカブトムシに影響を受けて世界の珍しいカブトムシにやたら詳しくなった挙句、なぜか商業誌にカブトムシ擬人化漫画まで描いた時代があったよなと(虫嫌いなのに)。次男が魚を自分でおろしたいと言い出したおかげで、まったく魚をさばけない主婦歴十数年の私が動画見ながら頑張って三枚おろしをマスターした、なんてこともありました。

 新婚時代には夫が私の好きな歌舞伎鑑賞や乗馬に付き合ってくれたり、運動オンチなワタシでも夫の趣味を一緒に体験してみたくてクロスバイクを手に入れヨチヨチ追いかけていた頃もあったわけですよ。そう考えると、大切な人(恋人や家族や友人)の好きなことを一緒に覚えて楽しみたい、というモチベーションが大人の学びには必要なエッセンスなのかも、とふと思いました。

 子どもが好きなものに付き合っていたらいつの間にか子ども以上に親がハマっていた、という経験がある人は多いはず。逆に親の好きなものを一緒に見ていた子どもが……という話も聞きますよね。うちの場合は長男が私につられて日本史好きになってくれたのがうれしい実例です。

 あらたまって新しいことを「学ぼう」としてもうまくいかない大人の手習い。自分自身の「好き」だけじゃ自家発電する体力無いですからね。ワタシ、少し子育てが落ち着いて子どもの好奇心に寄り添うことが少なくなっていたのかもしれません。反抗期に入り始めた中1には嫌がられるかもしれないけれど、野球の自主練頑張っている兄弟の横で一緒に筋トレ始めたら、いつの間にやらほっそり引き締まってたりして……!(夢見がちな40代)

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コミックエッセイスト tomekko

中1、小3、年長の男子3兄弟に夫とほぼ男子校な日々を送っている“ポンコツ母さん”。『AERA with Kids』の「脱・カンペキ親修行」では、鋭い観察眼で子育てや家族、夫婦、教育などについて連載中。Instagramでは13万以上のフォロワーに日々育児絵日記を投稿。インスタアカウント @tomekomet

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