3兄弟が全員野球をはじめ、渋々付き添って4年目。キャッチボールに付き合い玉拾いをし、車を出して遠征の送り迎え……いつの間にか歴を重ねるうちに野球色に染められていき……。そして今年、中学生になった長男の野球チームで「審判デビュー」を果たしました。何度も少年野球の審判補助的なこともしているし、勧められた時も「まぁ大丈夫だろう」と引き受けたそう。
それが、デビュー戦で世紀の大誤審(本人曰く)をやってしまい、がっくりと肩を落として帰ってきました。
聞けば難しい判定ではなく、誰がどう見てもアウトなのに元気いっぱい「セーフ!」と叫んで選手も監督も保護者も揃ってずっこけさせ総ツッコミを受けたらしい、会社ではそれなりの地位のおじさんなのでした。
その夜夫は、聞くほうも笑えないぐらい「恥ずかしい……」と落ち込んでいたんですが、驚いたのはその後の台詞でした。
「だから俺、次もまた審判やるわ!」
あーーーーーこういうとこが私にはないな! 自分のちっちぇープライド守って学びを断ち切ってしまった思い出が走馬灯のように押し寄せました。
いい歳した大人なのに知らないとかみんなの前で失敗すると恥ずかしいとか、できないことを乗り越える前にやめてしまうとか、そうやってチャンスに蓋をしていったら成長は絶対にしないし、もう後はただただ退化していくだけですよね。
夫は宣言通り翌週も審判を名乗り出ました。そして先輩パパさんたちが、夫が立つ一塁側の後ろに来てくれて、丁寧に立ち位置や動き方について教えてくれたんだそうです。ママ友もそうですが、子どもを介してできた関係性って年齢や仕事を絡ませないから変なプライドを持たずに教え合ったり頼れたりできるんですよね。
そこから夫は別の1年生パパにも審判一緒にやりましょうよ!と声をかけて学びのチャンスを駆使し、チームのパパコミュニティー活性化にもいかしているそうです。仲良くなった人にどのタイミングでタメ口名前呼びしていいのかわからず一生微妙な距離で終わってしまうタイプのワタシ、夫のこういうところめちゃくちゃ羨ましい。次人間やる時はこのスキルだけは実装して生まれたいものです。
次のページへいつの間にか子ども以上に親がハマっていた