いざ子どもが不登校になったとき、つらそうなわが子を目の当たりにすると、親の心配や不安は尽きないもの。「こんなとき、どうすればいい?」という保護者の悩みに、不登校ジャーナリストの石井志昴さん、臨床心理士の南谷則子さんが答えてくれました。『AERA with Kids 』から紹介します。(この記事は、2022年6月26日配信の記事を再編集したものです)
【図版】子どもの代表的なSOSサイン 5つの前兆一度休んだら、休み続けてしまわないか心配。
「無理に学校に行かせるようなことをしなければ、だいたいの子は数日か1週間ほどで学校に戻りたくなるでしょう。もちろん、一度休んだことをきっかけに不登校になるケースもゼロではないですが、それは、その子がそれだけ心に傷を負っているということ。ストレスは蓄積された分、回復にも時間がかかります。1週間以上休みが続く場合は、保護者だけで結構ですので、スクールカウンセラーやかかりつけの小児科医などに、お子さんの様子を一度相談してみてください」(石井さん)
「甘え」 と「甘やかし」 の判断が難しい。
「不登校に関していえば、甘えや怠けから『学校に行かない』ということはありません。表面的にはそう見えても、内面には必ず不安や葛藤があります。なので学校にまつわる『行きたくない』という子どもの要望は基本的にすべて受け入れてOK。
学校を休むようになり、感情の噴出が始まると、親は『甘え』と『甘やかし』の判断を日々迫られるようになります。暴言を吐いたり、泣き叫んだり、しつこく甘えてきたり、『なるべく子どもを受け入れよう』と思っていても、現実問題として難しい場合も。そのときは、『精神的な甘えはすべて受け入れ、物理的な甘えは切る』のがいい。欲しいものを何でも買い与えることはもちろん、親を仕事に行かせないといったことも、ある程度は物理的な甘えに入ると思います。
度を越したわがままを言うのは、自分のことをどこまで受け入れてくれるのか、『試し行動』をしているから。何から何まで子どもの言うとおりにしたり、先回りしてあれこれやってあげたりする必要はありません。不安や寂しさからくる『甘え』と感じるときのみ、たっぷりと甘えさせてあげましょう」(石井さん)
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