わが子から「学校休みたい」と言われたときに、「無理させないほうがいいと聞くけれど、休ませたら甘やかしになるのでは?」「一回休ませると、どんどん休むようになってしまうのでは…」といろんな悩みが頭をよぎります。これまで当事者やその親を400人以上取材してきた不登校ジャーナリストの石井しこうさんに、休みたいと言う子どもの気持ちの受け止め方や、親がしないほうがいいこと、休んでいる間にできることについて聞きました。

MENU 子どもが休みたいなら「甘やかし」にはならない 不安・不満を「モノ」で解消するのはNG 休んでいる間に、気持ちを聞いてみる

子どもが休みたいなら「甘やかし」にはならない

――学校を休ませるのは「甘やかし」になるのでしょうか? 無理はよくないけれど、少しくらいなら「ガマン」してでも行ったほうが…という気持ちもあります。

 こういうお悩みは多いですね。つらいなら行かなくてもいいけれど、ダラダラ生活してほしくはない。また、少しは「社会性」や「協調性」、「ガマン」を覚えないといけないのでは?とも思いますよね。親は「子どもがどのくらい学校が嫌で行きたくないと感じているのか」がわかりませんから、少しくらいならガマンを覚える意味でも行ったほうがいいのではと考えるのでしょう。

 心療内科医の明橋大二先生の見解では、子どもが「休みたい」と言ったときに休ませるのは、甘やかしにはならないそうです。子どもが精神的に「不足」や「不安」を感じたときには「精神的に返す」「十分に甘えさせることが大事」だそう。お子さんが怖い・つらいと思ったときに、「じゃあ休もう」「一緒にいよう」と対応することは、いくらやってもいいといいます。私自身が不登校の親御さんと関わってきたなかでも、「つらい」と言ったときにしっかり休んで親に気持ちを受け止めてもらえた子は、大人になったときに社会生活が困難になったという話はあまり聞かないですね。

不安・不満を「モノ」で解消するのはNG

 ただ、子どもの不安や不満を「物質」で解消することは、やってはいけないそうです。

――頑張ったらデザートやおもちゃを与えてしまう……。耳が痛いです。

次のページへ不登校は「愛情」というものがわかるための時間かも?
著者 開く閉じる
石井志昂
石井志昂

石井志昂(いしい・しこう)/1982年東京都生まれ。中学校受験を機に学校生活が徐々にあわなくなり、中学2年生から不登校。フリースクールに通ったのち、NPO法人で、不登校の子どもや若者、親など400名以上に取材。現在はNPO法人を退社しジャーナリストとして活動中。著書に『「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること』(ポプラ社)『フリースクールを考えたら最初に読む本』(主婦の友社)。

1 2 3