実は私は高校生のとき、スウェーデンに留学したことがあって。少しは言葉も話せたんですね。そういう流れもあり、夫がスウェーデンの本社に転勤願いを出したところ、それが許可され、あれよあれよと一家で移住することになりました。スウェーデンに行って自分には何ができるんだろう? と不安に思っていた部分もありましたが、「子どもが大きくなりすぎる前に、早くに移住しよう」という夫の意見を尊重し、春にビザを申請し、その年の12月に移住。あっという間でした。

正社員でも17時には帰宅 保育園は朝食付き

――実際に、スウェーデンで暮らしてみて、生活はどう変わりましたか?

 やっぱり働く親の労働時間や環境は大きく違いましたね。夫は移住してすぐに正社員で働き始めましたが、毎日17時には帰宅するのが当たり前。ほかの人も同じで、子どもが小さいうちは、ほとんどの人が16時半には会社を出るといいます。実際、保育園に迎えに行っても、17時には子どもたちがほとんど残っていないくらい。

――そんなに、早いのですか! 日本だと20時ごろまで延長保育があるところも。

 スウェーデンでも当然勤務時間は決められていて、基本は8時間で日本と変わりません。でも残業や休日出勤は基本的に奨励されておらず、「不愉快な労働時間」というくくりで時給も高くなります。また、デスクワークの場合は出社や退社の時間を多少ずらすことは自分の裁量で決められることが多いです。

 朝早くに子どもを保育園に預けて朝食を食べさせてもらい、7時半に仕事を始めれば、16時半には退社できる。育休の日数が残っていれば、1時間単位で時短勤務のような形で細かく消化することも可能です。そういうシステムを利用して、子どもが小さいうちは15~16時ごろに退社する人もいます。

 夕方は、「家族で過ごす時間」を大切にする人が多いですね。夕食も日本のように一汁三菜の手の込んだものを作る人はほとんどいなくて、簡単なワンプレートが基本。生クリームといちごジャムをかけたスウェーデン式の薄いパンケーキで、済ませる日もあります。

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