アメリカで臨床医として活躍する安川康介さん。YouTubeで自身の勉強法を発信したところ、2024年6月現在で340万回再生と大きな反響があった。小学生でも使える勉強法について、また自身の子育てについても語ってもらった。「偏差値だけに頼らない 中高一貫校選び2025」(朝日新聞出版)から紹介しよう。 

MENU 勉強は自分を変える、最も身近で大切な方法 脳に負荷をかけて能動的に思い出す 好奇心こそ最高の教育の機会

勉強は自分を変える、最も身近で大切な方法

 YouTubeで普段は医学情報を発信している安川康介さん(42歳)。勉強法の動画を公開しようと思ったのはなぜなのだろうか。

「勉強は自分を変える、そして人生を変える、最も身近で大切な方法です。だからこそ、勉強法について学術的にも100年以上の研究の蓄積があります。しかし、その研究結果は一般の人にあまり知られていない。そして学校では教科の勉強は教わるものの、勉強法そのものについてはあまり教えられていない。それが問題だと思いました」

 安川さん自身は日本とアメリカの教育を両方受けている。小学生のころは公文や、中学受験を念頭に塾に通って勉強していたこともあったという。しかし、小学5年の時に父親の仕事の都合でアメリカに渡った。中学はアメリカの現地校に入り、高校は慶應義塾ニューヨーク学院へ。そこでトップの成績だったため、慶應大学の医学部に進学する。医学部を学年8位で卒業し、日本の医師国家試験と並行して勉強したアメリカ医師国家試験を上位1%で合格した。

「今までの人生の中で膨大な時間を勉強に費やしてきました。英語や学校の勉強も含め、日米で医師になるため、そして医師としても学びは絶え間なく続いています」 

脳に負荷をかけて能動的に思い出す

 同時期に二つの国の医師国家試験の勉強をするとは想像を絶するが、効果的な勉強法をしたからこそできたという。

「まず大事なのはアクティブリコールです。要は何かを能動的に思い出し、頑張って記憶から引き出す作業です。アクティブリコールのやり方は広く、ただ単に思い出すこともそうですし、白紙に書き出す、誰かに話す、練習問題を解くなどいろいろな形式があります。アクティブリコールの有効性は、学術的にも小学生も含めたかなり幅広い年齢で確認されているので、大人はもちろん、小学生でも積極的に使ったほうがいい方法でしょう」

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江口祐子
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