ゲーム時間が長い、約束したゲーム時間が守れない、夜中までゲームをしている、そのために朝起きられない、課金額が多くなってきた、注意すると激昂(げきこう)する、ゲーム以外に興味を示さない、などはゲーム依存が強く疑われる兆候です。
――「ゲーム時間が長い」というのは、どのくらいですか?
「ゲームの時間と依存は関係ない」という学者も多いのですが、当院では患者さんの実態調査結果から「平日2時間以上になるとゲーム依存のリスクが増える」と判断し、ゲームズテストのチェック項目にも盛り込んでいます。目安にはなると思います。
若いほど依存に至るまでの進行が速い
――兆候が見られときは、親はどう対処すればいいでしょうか。
まず、親子で話し合ってみましょう。ルールが必要であることを説明したうえで、ゲームをする場所や時間などについて確認し、どうすれば守れるか、お子さんの意見も聞いて、じっくり話してみてください。
話し合っても改善が見られず、家族内で解決するのが難しい場合は、相談機関に連絡をとってみましょう。各都道府県や政令指定都市の精神保健福祉センターには依存の相談窓口がありますし、ゲーム依存を専門的に診療している医療機関でも相談対応しているところがあります。多額の課金問題に関しては、消費生活センターや国民生活センターに相談してください。
――医療機関を受診したほうがいいケースは?
専門医療機関の受診は、早すぎることはありません。これまでさまざまな年齢の患者さんを診てきましたが、年齢が若いほど依存に進行するスピードが速く、より早い段階で対処する必要があります。専門医療機関ではゲーム依存にまで至っていない場合でも適切なアドバイスがもらえるので、気になる症状があれば受診しましょう。
当センターのホームページ(https://kurihama.hosp.go.jp/hospital/net_list.html)でゲーム依存の専門医療機関のリストを掲載していますが、12歳以下を診療できるところは限られています。各医療機関に詳細を聞いてみてください。このリストにない小児科や児童思春期精神科で診療している場合もあるので、精神保健福祉センターに問い合わせてみましょう。
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