――自転車保険にはさまざまな商品がありますが、選ぶ際のポイントを教えてください。

 保険というと補償額の大きさなどで選びがちですが、示談交渉サービスがついていることが重要だと私は思います。子どもが事故を起こしてしまったとき、現実的に起こる可能性が高いのは、巨額の損害賠償の支払いより、相手方との交渉です。保護者が相手方と直接話し合うのは大変ですし、弁護士を雇うにも大きなお金がかかります。自転車保険に示談交渉サービスがついていると、保険会社に任せることができます。示談交渉サービスは、自動車保険や火災保険の特約でついていることもあります。

――自動車保険や火災保険の個人賠償特約は、自転車保険の代わりになるのでしょうか?

 商品によってさまざまです。例えば、火災保険の補償範囲は自宅の敷地内のみのものもあれば、生活全般をカバーするものもあります。なかには、自転車事故も個人賠償特約の対象になるものもあるので、一度、保険の約款やサービス内容を確認してみることをお勧めします。

 保険に加入していない場合も、事故が起きたときには自分たちだけで抱え込まず、専門家を頼ることが大切です。法テラス(日本司法支援センター)や、行政などが開催している法律相談を利用するのも一つの方法です。

カーブミラーのある交差点はリスクポイント

――子どもの自転車事故を防ぐために、家庭でどんな対策ができますか?

 子どもが自転車で通るルートを保護者にも把握していただきたいですね。交通事故の約6割は交差点で起きているので、できるだけ交差点を通らずに済むルートがないか、一緒に考えてください。交差点というと、信号や横断歩道がある場所というイメージがあるかもしれませんが、道路が交わっているところは全て交差点です。住宅地のちょっとしたT字路であっても、必ず安全確認をするように教えましょう。

 もう一つ注意したいのは、カーブミラーが設置された場所です。カーブミラーが設置されているということは死角になりやすく、過去に事故が起きていることもあるので、リスクポイントとして覚えてほしいですね。カーブミラーをよく見て向こうから車や歩行者が来ないか確認し、通行する前に十分スピードを緩めることなども、あわせて教えてください。

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