茂山 「つるかめ算」でいえば、なぜ面積図を使って考えるのか。足の数を縦に置くのはなぜか、つるとかめの数の合計を横に置くのはなぜか、といったことをわからないまま、やみくもに数字を当てはめ、ひたすら量を解いていくケースがあまりにも多いですよね。ですが、なぜそうした考えや公式が存在するのかを理解したうえで解くのと、最初から「こういうものだ」と叩き込まれ、パターンとして繰り返し解いていくのでは、理解度がまるで違う。
「場合の数」にしても、何通り起こるのかすべての数を書き出していく作業を経て、「こんな面倒なことをせず答えを出すにはどうすればいいか」と考えていくのが自然であり、自分なりに考えた経験が次につながっていくのだと思います。
効率の良い解き方や「こう考えるとわかりやすい」という自分なりの発見は、本人が試行錯誤をした末につかみ取るもの。大人から「必ずこうやりなさい」とパターンを教わるものではないのではないか。そんな気がしています。
(聞き手/古谷ゆう子)
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しげやま・きりゅう/1986年生まれ。中学受験を経験し、大学附属校に入学。大学在学中から個別指導塾、大手進学塾などで中学受験指導に携わる。会社経営の傍ら、2011年、東京・西葛西に中学受験指導塾「應修会」を開校。自らも教壇に立って指導を行う。中学2年、小学6年の男子の父。X(旧Twitter)での中学受験についての発信も人気で、フォロワーは1万人を超える。X: @kiryushigeyama