お弁当って「当たり前化」されやすいのです。親も黙々と作って、子どももなにも考えずに食べがちです。でも、よく考えるとそれはちょっぴり癪にさわりますよね。どんなに大変な思いをして作ってるんだ!って。でも、そこをぐちぐち言うのも気持ちがいいものではありません。ならば、写真のお弁当辞書を作って、いつか大人になったら押しつけてやりましょう(笑)。

お弁当を「コーディネート」してみましょう

―――亜希さんは料理の中でもお弁当作りがいちばん好きだと聞きました。

 作るのはもちろん、曲げわっぱのお弁当箱の「フォルム」も好きなんです。そして、その限られたスペースに完成しているごはんの世界が好き。なので、自分の写真フォルダの中で一番多いのはお弁当の写真なんですよ。

 以前、スタイリストの友人が「お弁当も、洋服のコーディネートと同じだよね」と言ったことがありました。たしかにそうだ!と納得したんです。たとえば、洋服が白と青だとしたら、それに合う色の靴やバッグを選んで……と、洋服のコーディネートを考えるのと同じように、お弁当も考えてみる。どうでしょう、こんなふうに見るとお弁当も楽しくなりませんか? 「ちょっと色が足りないな」と梅で赤を加えたり、青菜で緑を添えてみたり。「お弁当箱」というひとつの入れ物の中をコーディネートするイメージです。私も、お弁当作りでは「詰める」作業がいちばんワクワクするんです。

―――お弁当のメニューがマンネリ化してしまいがちです。

 かんたんにイメージを変えるのに、おかずではなく「お米」で変化をつけるのもおすすめです。炊き込みごはんは最適なのですが、どうしてもたくさんできてしまいますよね。そこで手軽な「和えごはん」でいきましょう。要は混ぜごはんなのですが、ササッとボウルの中でお弁当の分だけごはんを和えるのです。優秀ですよ! 

 これからの季節なら、刻み梅干しや梅肉などがおすすめ。さっぱりするし、抗菌作用もあるから安心です。少量をササッと和えればちょうどいい。お弁当箱が3倍にも4倍にも華やぎますよ。コーディネートに悩んだら、ぜひ活用してください(笑)。

乾燥梅肉をご飯に和えて。梅は万能、食べると気持ちまで元気になります。撮影/伊藤徹也

 また、同じメニューやおかずでも「お弁当箱」を変えるだけであら不思議、気分が変わって新鮮に感じられるのです。こちらもお試しくださいね。

NEXTお弁当作りで気をつけていること
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