Q どの型のウイルスも症状は同じですか?

 原因となるウイルスや型によっては、症状がやや異なる場合があります。例えば近年、日本で増えているコクサッキーウイルス A6 型によるものは、症状が水痘(すいとう、水ぼうそう)と似ていたり、水疱の回復後に爪が剥げることもあります。

 エンテロウイルス 71 型による手足口病では、ほかの型に比べ、髄膜炎や脳炎などの合併症が起こりやすいことがわかっています(詳しくは後述)。

 ヘルパンギーナはコクサッキーA 群ウイルスが原因で起こることがほとんどですが、こちらも複数の型があります。

Q 感染ルートは?

 手足口病もヘルパンギーナも乳幼児に多い病気ですが、小学生がかかることもあります。感染ルートは「経口感染」「飛沫感染」「接触感染」の主に三つ。「経口感染」は病原体で汚染された飲食物を摂取することで感染します。「飛沫感染」は感染している人がせきやくしゃみ、会話をした際に、口から飛ぶ病原体が含まれた小さな水滴を吸い込むことで感染します。

「接触感染」には握手や抱っこなど、感染している人に触れることでうつる「直接接触感染」と、ドアノブや手すり、遊具など病原体に汚染された物を介してうつる、「間接接触感染」があります。

 手足口病の原因となるエンテロウイルス属のウイルスは、腸管で増殖するため、うんちの中に含まれるウイルスなどが口に入ることで感染する「糞便感染」もあります。

予防法は、あるの?

Q 予防法はありますか?

 100%確実な感染対策はありませんが、間接接触感染や糞便(ふんべん)感染は手洗いによって、かなり予防ができます。手指に付着したウイルスは流水でほとんどが流れるからです。ですから石けんによる手洗い、特にトイレ後の手洗いを徹底してほしいと思います。

Q 発症したらどうすればいいですか?

 有効な治療法がないため、対症療法になります。手足口病やヘルパンギーナでつらいのは、なんといっても口の痛みです。痛くて飲んだり食べたりがつらくなります。とはいえ、脱水症状が起きると危険ですので、適宜、飲食をさせてあげる必要があります。

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