親世代の皆さんへ、養老先生からのメッセージ
●働きすぎの親御さんへ
多分毎日が居心地が悪いと思います。自分が「ちょうどよいところに収まっているか」「毎日ハッピーか」を測ってほしいですね。自分の心地のよさが分かると子どもの心地よさも分かるし、その姿を見せることがいちばんの子育てかもしれません。自分が本当は何がしたいのか、何が好きか、そういうのも考えすぎないほうがいいですよ(笑)。
●親子で泥だらけになって遊んで
大自然の中で泥だらけになって子どもと大笑いする体験をぜひたくさんしてください。野菜を摘んで食べる、生きものをつかむ、虫を捕まえる。なんでもいいのです。子どもが植物や生きものを触る姿を見るとほっとしますよね。目の前の子どもの笑顔に癒やされると親の心も楽になって、いろいろなことがどうでもよくなります。
●未来は子どもの財産
子ども時代が幸せということはすごく大事。一言で言い換えるなら「将来の希望」です。経験もお金も力もない子どもがもっている財産は「一切何も決まっていない未来」。かけがえのない未来に、親が考える子どもの計画を入れないほうがいいのです。子ども時代が幸せなら、たとえ不幸があっても、それを越えていく力がつきますね。
(取材・文/AERA with Kids編集部)
AERA with Kids (アエラ ウィズ キッズ) 2024年 夏号 [雑誌]
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