2.手足口病やヘルパンギーナ……。感染症の流行も心配です
――感染症について、この夏はどうでしょうか。
新型コロナ禍収束の影響もあり、インフルエンザや咽頭結膜熱(プール熱)のような、特定の季節に流行していた感染症が、年間を通して見られるようになっています。
「手足口病」や「ヘルパンギーナ」は、乳幼児を中心に小学生でも感染する夏風邪の代表格です。主な感染経路は飛沫感染と接触感染。手足口病は口内や手のひら、足裏に赤い発疹が、ヘルパンギーナはのどの奥に白い斑点ができ、痛みでものをのみ込みにくくなります。
また、「アデノウイルス」にも注意しましょう。発熱、のどの痛み、結膜炎などが出る咽頭結膜熱も、目が赤くなり痛みやかゆみが出る流行性角結膜炎(はやり目)も、このウイルスが原因です。手洗いをこまめにして、タオルなどの共有は避けましょう。
発熱やせき、たんが出て、肺炎を引き起こすこともあるウイルスが「RSウイルス」。従来は冬に猛威を振るっていましたが、今は年間を通して報告されています。感染経路は飛沫感染と接触感染。特効薬がないため、予防が重要なのです。
感染症の予防は、こまめな手洗いや消毒、そしてうがいも有効です。うがいは「ガラガラ」と「ブクブク」をセットで行いましょう。
3.熱中症の予防には汗をかくことが大切
――この蒸し暑さ……。熱中症への対策はどうしたらいいでしょうか。
からだの中に熱がこもることで発症するのが熱中症です。重症化すると全身の臓器がダメージを受けてしまうことも。子どもは体温調節能力がじゅうぶんに育っていないので特に注意が必要です。
熱中症の予防は、とにかくこまめな水分補給と休息が大切です。からだは汗と一緒に熱を放出します。水分不足になると汗をかけなくなり、熱がからだにこもってしまうのです。水分がとれる状態でのどが渇いていなくても、30分から1時間おきに水分摂取を心がけましょう。また、湿度が高いときも汗をかきにくくなります。涼しい部屋でこまめに休息しましょう。
(取材・文/松田慶子)
朝日新聞出版