矢萩:そうですね。もともと基礎学力もあって適性がある場合はいいとして、適性が微妙だったり、技術的にもメンタル的にも足りないようなら、私立の4科受験のトレーニングをしたほうが受かりやすいというのはあると思います。
4科を勉強している子が「学力でねじ伏せる」ことも
安浪:私立組の子は公立の中高一貫校が掲げるアドミッションポリシーと合致してなくても、4科を勉強しているから合格できちゃたりするんですよね。学力でねじ伏せるイメージです。
矢萩:本来、適性検査型の塾は、まずは受験生本人が適性検査に向いているのか、本当にその学校に適性があるのかをちゃんと見抜かなければいけないと思うんですが、それをできている塾は少ないと思います。先ほど話に出た、作文に型があるということもそうですが、結局まだ型で何とかなる部分までしか教えられていない。だけど学校はもう型で書いてくる子がほしいわけじゃないんです。ただ、まだそれを見抜けるうまい選抜方法が確立してないところもあって、結局は型で書けちゃうところはあるのですが、これから先はちょっと変わってくるかもしれないです。
安浪:受験方法はいろいろあるにせよ、さまざまな知識を楽しく吸収するやり方は、いろいろあると思うんです。私立型の勉強をやるということだってその一つの方法だと思います。中学受験期間を通して、何を身につけさせたいのかという視点を持った方がいいような気がします。
矢萩:そうですね。現状この質問者さんの場合、お子さん自身の意見は度外視して決めているように見えます。まずは学びに対するモチベーションだとか、学びに何を求めているのかというところからちゃんと家族で話し合って、その上でどういう進学がいいのか、どういう学びがいいのかということを本人主体で決めていく時間が必要だと思います。もちろん本人に意見がない場合もあると思います。であれば、受験は今じゃないという話が出るかもしれないし、話し合う過程でこの子はこういう子なんだ、という新たな気づきが親御さんのほうに出てくるかもしれないです。
(構成/教育エディター・江口祐子)