おすすめポイント

 空を泳ぐ大きな魚たちが雨を降らす……という不思議なおはなしが、雨の季節にぴったり。主人公のルーチカはいつも頭にリンゴをのせて、歌いながら歩きます。

「♪こまったひとがいたときは おいしいりんごをあげるんだ ルンララ ルンララ ルンラララ」

優しいルーチカはちびうおくんのお母さんになったような気持ちで「このままずっと、いっしょにいられたらいいのに……」と考えるのですが、ちびうおくんのことを思って切ない決断をするのです。

 挿絵はカラーとモノクロで、どのページにも生き生きした表情のルーチカたちが描かれ、おはなしを読み進めるのを助けてくれます。色あざやかな紫陽花、木の上のノッコの家、かわいいちびうおくん、そらうおの泳ぐ様など、ファンタジックな世界が繊細なタッチで描かれます。一人読みをはじめたお子さんにおすすめの心あたたまる幼年童話です。

『はりねずみのルーチカ たまごのあかちゃんだーれだ?』(かんのゆうこ 作/北見葉胡 絵/講談社 刊)
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