学びの主導権は子どもにある

 教育虐待の形にしない方法はシンプルで、「大人主体」ではなく「子ども主体」で物事を考えることです。

 周囲の大人の役割は、「楽しい」「うまくなりたい」「続けたい」といった子どもの前向きな気持ちをいかに作り出し、増幅させるかを意識して学習環境を整えることです。 

 それができたら、あとはとにかく見守ること。多少のレールは敷いても脱線は当たり前くらいに考えましょう。子どもが失敗と試行錯誤を続けているなら、それを称えてあげましょう。そして子どもが一歩でも前進したら、子どもと一緒に喜んであげましょう。

 英語に限らず学びの主導権は子どもにあるべきです。「私は英語が苦手だったので子どもにはなんとか」といったリベンジマッチの手段として子どもを使ったり、親同士のマウンティングのために子どもを使ったりするなどもってのほかです。

 以前、ラグビーの全日本代表を務めたある選手に直接聞いた話なのですが、「誰も足を引っ張らなければ上手くいく」のがラグビーというスポーツだそうです。お子さんの英語教育も、高い目標を持つからこそ焦らない、のっけから躓かないことを考えた方が、最終的に上手くいくのです。小さな失敗があったとしても、後で修正すれば良い。そのぐらいに楽観的に考えて地道に続けていった方が、最終的に上手になるのです。 

斉藤先生! 小学生からの英語教育、親は一体何をすればよいですか?

斉藤 淳

斉藤先生! 小学生からの英語教育、親は一体何をすればよいですか?
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斉藤 淳
J PREP代表 斉藤 淳

J PREP代表。元イェール大学助教授。上智大学外国語学部英語学科卒業、イェール大学大学院政治学専攻博士課程修了。2012年に J PREP 斉藤塾を起業。著書に『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語』(ダイヤモンド社)、『世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法』(KADOKAWA)、『アメリカの大学生が学んでいる本物の教養』(SBクリエイティブ)などがある。

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