でも現実には、正しいステップを踏んでいないPTAもまだまだ多く、それが結果として「負担感」や保護者同士のギスギスのおおもとになりがちです。学校がPTA会費を勝手に口座から引き落とすしくみになっているとしたら、「学校が持つ保護者の個人情報を、PTAという別団体の活動に流用(提供)しているという大問題でもあります」と大塚さんは言います。

生まれ変わるPTAも

 「ただし最近は、ルールやしくみを改革して、会員の意思が尊重されるPTAに大変身するところも出ているんですよ」と大塚さんは続けます。改革のポイントは主に「加入や会費の支払いを強制せず、入退会を自由にする」「参加を強制せず、手挙げ方式にする」の二つのようですが、例えばこんなケースがあるそうです。

 会費の徴収についても、最近はオンライン決済などキャッシュレスサービスを活用するPTAも出てきているとのこと。その場合、「入会を申し込んで個人情報を入力する」というステップを踏まない限り、会費は支払えないしくみになっていることも。これなら強制加入は起きません。

「おかしい」と言ってみる

 ここまで読んで「うちの小学校はいまだに全員参加だな」「承諾していないのに会費が自動引き落としになっていておかしい」という場合は、立ち止まって考えてみるタイミングかもしれません。

 「退会したいと思ったら、PTA本部にその意思を伝えるといいでしょう。一方、これから小学校や中学校に上がるなど、まだ会員になっていない場合は、向かう先は校長です。入会する意思がないことを伝えておけば、会員になったり、PTAに個人情報が勝手に渡ったりすることもないはずです」(大塚さん)

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