PTAって、じつは学校の組織でもなければ、全員参加でもないんです。PTAの基本のキをおさらいしつつ、「退会」の2文字が脳裏にチラついたときに、やるべきことは何なのか。PTAに詳しいノンフィクションライターの大塚玲子さんに聞きました。
【これもPTA会費?】「通知表のファイル代」に「草刈り機代」…使い道の一覧はこちらPTAは学校とは別組織
「あの委員は大変らしいよ」とか「一緒に委員をやらない?」とか、ことあるごとに保護者の間で話題になりがちなPTA。でも、PTAはそもそもどういう組織なのでしょうか。
「PTAは、保護者(Parent)と教職員(Teacher)が協力する団体(Association)を意味する略称です。学校活動の一部だと思われているところがありますが、たいていは多くの教職員も一会員であり、じつは学校とは全く別の組織。戦後、日本に民主主義を広めるために、米国のPTAを手本につくられたものなんです」
そう話すのは、長年PTAについての取材を続けているノンフィクションライターの大塚玲子さんです。学校の活動だと思っている人は驚かれるかもしれませんが、つまりPTAとはいわばその学校の子どもたちのために有志で活動する団体。全員参加のようなイメージがつきまとい、「子ども1人につき1回は委員をやる」といった暗黙のルールがまかり通っているケースもありますが、あくまでもボランティアなので、強制するような立ち位置にはないといえます。
やらされているから愚痴も出る!?
では、どうあるべきなのかというと、欠かせないのが「意思」を確認するプロセスだと大塚さんは言います。例えば駅前のスポーツクラブが住民を勝手にクラブ会員にしたり、“推し”のグッズを買った人が勝手に「友の会」の会員にされて、グッズ代と一緒に会費まで引き落とされたりしていたら大問題になります。それと同じで、PTAについても会則や会費を周知したうえで、「PTAに入りたい」という意思を示した人だけを会員として、会費を徴収するというのが正しいステップなのだと大塚さんは強調します。
次のページへ改革に成功したPTAも