今日は母の日。過去に読まれた記事を再配信でお届けします(元記事は2021年10月22日配信。本文中の年齢等は配信当時)。
「自己肯定感の高い子に育ってほしい」と願う親は多いものですが、親自身の自己肯定感はどうでしょうか? どうすれば親自身の自己肯定感を高めることができるのか? そもそも自己肯定感の低い親は何から始めればいいのか?「AERA with Kids秋号」(朝日新聞出版)では、ニューヨークライフバランス研究所代表で、ポジティブ心理学をベースにさまざまな講座を開催する松村亜里さんが「ママの幸せ感」を高めるコツをアドバイス。その松村さんに親の自己肯定感についてさらにアドバイスをもらいました。
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「親になると子ども優先で、自分のことは後回しにしがちです。そうすると、子育てや家事に一生懸命になるあまり、イライラしたり、子どもを強く叱ってしったりして、自分を責めて落ち込んでしまいますよね。自己肯定感も下がります。私もかつてそうでしたが、ニューヨークに来てポジティブ心理学を学んでから変わりました」
と松村さんは話します。
まずは親自身のコンディションに気を配り、親が幸せな状態でいれば、結果として自己肯定感も高まります。そうなれば、子どもへのイライラも減っていき、親子関係も良い状態に保てるようになると松村さんは言います。
■親の「心のタンク」満たして
「幸せが伝染する」ということは研究でもわかっています。自分を満たして「幸せな状態」になると、子どもにも幸せが伝わっていきます。
「親の『心のタンク』を満たしてあげることが大切です。ぐっすり寝た翌日はタンクが満たされていますが、時間が経つにつれて徐々に下からもれていきます。だから、日々自分を幸せにしてくれることで満たしてあげましょう。自分がどうしたらハッピーになれるのか知っておくといいですね。たとえば、家事を負担に感じるのであれば、『作り置き』サービスなど家事代行サービスを利用するのも一つの手です」
心が満たされていることは「自己肯定感が高い」状態なのでしょうか。
「よく誤解されるのですが、自己肯定感とは『自分は素晴らしい』ではなく、『自分は十分である』ということ。『自分は自分でいい』と思えることなのです。自己肯定感が高い人に『自分は不幸です』という人はあまりいないですよね。だからといって『自己肯定感が高い・低い』にとらわれる必要はありません。自分が幸せになれることをやっていれば、自己肯定感は自然と高まってきます。まずは親が自分自身を幸せにしてくれることを意識してやっていくことが大事ですね」
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