先生はスキルより「相性」で選ぼう!

――わが家の長女と次女は性格もタイプもまったく違いますが、同じピアノの先生に長く習っていて、二人とも楽しいと言って続けています。先生が子どもによって接し方を変えているのかもしれません。

 子どもの習い事って、スキルよりも先生との相性が大きいんです。指導力の高いすごい先生というのは、子どものタイプの違いを超えてくるんですよね。

 親御さんはひと括りに「ピアノ」「習い事」と考えず、彼女が表現し学んでいく喜びを味わうには、どんな大人の関わり方なら才能を発揮しやすいだろうか、という観点で考えてみてください。例えば、最初の10分は好きに弾いてから今日の課題曲に入ろうか。そんな融通無碍な先生なら喜んで習うかもしれません。そんな視点で見てみたらいかがでしょうか。

 それと、相談内容に「練習もせず」というフレーズがありましたが、親御さんは「練習」という言葉の捉え方を見直してみてもいいと思います。「練習」は言われたことに従ってやるものではなく、自分自身のできることを増やすために取り組むものです。鉄琴の練習は家で積極的にしているんですよね。だから練習する力は高いんです。そこをちゃんと褒めて、「あなたには学べる力があるよね」ということを確認したうえで、ピアノ教室での出来事を捉え直してみましょう。きっとできていることもやっていることも、いっぱいありますよ!

 先生が課題曲をやらせようとするところに、がんとしてピアニカの曲をやりたいとか、救急車の音を再現するなんて芯が強い、最高ですよ! これだけ表現したいものがある子ですから、そこに気づける大人に出会わせてあげれば、大いに才能を発揮できると思います!

(構成/布施奈央子)

小川大介さん
小川大介さん

※小川さんのYouTubeチャンネル「小川大介の『見守る子育て研究所®』」や、AERA with KidsのYouTubeチャンネルで、小川さんの話を動画で配信しています。

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