「子どもの身長が気になる」「うちの子は背が高くなるのだろうか」と気になっている親御さんは多いと思います。背の高さは何で決まるのでしょうか。また、背が高くなる方法はあるのでしょうか。子どもの成長を専門とする福島県立医科大学放射線医学県民健康管理センター特任教授の横谷進医師に聞きました。
【図】睡眠と身長は大きな関係が 子どもがよく眠れる6つのポイントはこちらQ.背の高さは「遺伝」で決まりますか?
身長は遺伝のほか、栄養や睡眠、運動といった生活環境で決まります。ただし、「遺伝」で決まる部分が大きいのは事実です。遺伝は、「母親の身長が高いから、子どもも高い」など、両親どちらか一方の影響を受けるわけではありません。父親、母親二人を合わせて2で割った平均身長が目安です。男の子はこの平均身長よりも高め、女の子は低めになります。
両親の身長が高い場合、それぞれから高くなる遺伝子の組み合わせを受け継ぐことが多いので、身長は高くなりやすいです。ただ、これはあくまでも「平均」です。両親の身長に比べて、かなり背が高くなる場合も低くなる場合もあります。これは身長に関わる遺伝子が数多くあってさまざまな組み合わせでそのお子さんに受け継がれるためです。
Q.きょうだいで身長に差が出るのはどうしてですか?
同性のきょうだい間でも身長に差があるのは、前問でお答えしたように、同じ親から生まれた場合でも受け継ぐ遺伝子の組み合わせが一人ひとり異なるためです。元をたどれば、遺伝子は祖父母など先祖から引き継いでいます。このため、親の身長の割には「背が高い、あるいは、低い」という子どもも出てきます。
Q.生活環境で伸ばすことはできるのでしょうか?
「遺伝」が大きな要素とはいえ、身長などからだの成長には、生活環境がとても大切です。例えば、遺伝的に背が高くなる要素があったとしても、栄養を十分に取ることができなければ、骨が十分に成長せず、伸びるはずの背も十分に伸びません。
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