茶色いあざはレーザーの試し打ちで効果を見極める

 太田母斑、単純性血管腫は、ある程度成長してからでも、レーザ―治療の効果を期待できます。扁平母斑はレーザー治療が効くケース、効かないケースがあります。

「扁平母斑の場合は、試し打ちをおすすめしています。試し打ちをして効果があれば、繰り返し照射をしていきます。効果がない場合は手術で切除するという選択肢もあります」(西本医師)

 血管腫は色素レーザー、それ以外(太田母斑、異所性蒙古斑、扁平母斑)はQスイッチルビーレーザー、Qスイッチアレキサンドライトレーザーといったレーザー治療の種類があります。局所麻酔の場合は日帰り、全身麻酔の場合は入院での治療が必要です。

「レーザー治療というと、費用を気にされる保護者がいますが、生まれつきのあざのほとんどは、健康保険で治療可能です。乳児血管腫で使用するヘマンジオルシロップも2016年から保険適応となっています」(西本医師)

 子どもにあざがあったときにどう感じるかは、保護者によってそれぞれです。西本医師は生まれつきのあざに悩んできた高齢の患者にあざの治療をしたこともあるそうです。

「きれいになった皮膚を見て『母親からこんなふうに産んでごめんねと言われてきたから、こんなに簡単に消えるなら母が亡くなる前に治療して見せたかった』とおっしゃっていました。まったく気にしない方にとってあざは病気ではありませんが、悩んでいる方にとっては大きな問題です。そうした場合に医療がお手伝いできる場合もあることをぜひ知っていただきたいです」(西本医師)

(取材・文/中寺暁子)

【一覧】赤、青、茶…あざの種類と治療後の再発しやすさの違い (日本医科大学武蔵小杉病院提供)
著者 開く閉じる
中寺暁子
ライター 中寺暁子

健康情報誌編集部などを経て、2000年からフリーに。医療・健康・教育のテーマを中心に取材・執筆活動を行う。

1 2 3