新入学の4月、放課後児童クラブ (学童保育所)にお子さんを預け始めた家庭も多いでしょう。小学校低学年は帰宅時間が早く、共働き世帯に学童保育の存在は不可欠ですが、なかなか希望通りに入ることが難しい地域もあります。学童保育所に入れず、時短勤務に切り替える、退職せざるを得なくなる人もいる、いわゆる「小1の壁」問題。全国で最も待機児童数が多い東京都に絞り、区市町村別のデータを紹介します。
【表】東京で学童保育の待機児童数が多い区市町村は?2023年5月1日時点での全国の学童保育を利用している子ども(登録児童数)は、前年比6万5226人増の145万7384 人。利用できなかった児童数(待機児童数)は前年比 1096人増の1万6276人。東京都(3524人)、埼玉県(1881人)、千葉県(1227人)で全体の約4割を占めている。例年は5月1日時点だけの発表だが、23年は10月1日時点も調査しており、全国では登録児童数 139万9224人、待機児童数は8487人に減少している。年度初めや夏休みが終わると需要は減るという声があるが、減少しなかった分への対応は急務だろう。
23年5月1日時点の東京都の放課後児童クラブ(学童保育)の登録児童数は13万2648人。待機児童数は3524人と、全国でも最多だ。10月1日時点では登録児童数は12万8590人、待機児童数は2093人と5月1日時点より減少している。今回は10月1日時点での数値をもとに登録児童数、待機児童数を整理した。
待機児童数の多い区市町村は
表1は待機児童数の多い順に区市町村を並べた。1位は葛飾区(255人)、2位は中央区(234人)、3位は練馬区(218人)。そのほか足立区(164人)、狛江市(108人)が100人を超えた。
登録児童数が多い区の待機児童が多いかといえばそうではない。登録児童数が6千人を超えている世田谷区、板橋区、八王子市では待機児童なし。そのほか、23区内では千代田区、品川区、渋谷区、豊島区、北区、荒川区、江戸川区が待機児童なしだった。
この表で待機児童数がゼロの区市町村は東村山市以外、5月時点の調査でもゼロだった。これらの区市町村では待機児童になる可能性は低いといえるかもしれない。
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