「詰め込み」「偏差値」というイメージが強い中学受験。「受験のための勉強は子どもの将来に役に立つの?」「難易度より、子どもを伸ばしてくれる学校を選びたい」といった悩みを抱えている親御さんも増えています。思い切って「偏差値」というものさしから一度離れて、中学受験を考えてみては――。こう提案するのは、探究学習の第一人者である矢萩邦彦さんと、「きょうこ先生」としておなじみのプロ家庭教師・安浪京子さんです。今回は内申点をテーマに、公立中と私立中の違いを考えます。
【ランキング】早慶への「合格率」が高い首都圏中高一貫校トップ30(全6ページ)小学校で先生とうまくいっていないなら
矢萩:決して安易じゃないと思いますよ。どこに進学するにしても、先生との相性は最も大事な要素のひとつです。僕も中学で担任との相性がひどく悪かったことが不登校の原因でした。
安浪:矢萩さんが不登校になったのは、私立中学にいた時ですよね。
矢萩:そうです。そういう意味では私立に行っても安泰じゃないよ、という話なんですが。ただ、現在公立の小学校に通っていて既に担任の先生や複数の教師とうまくいっていないのであれば、中学受験を考えるのはありだとは思います。
安浪:私も男の子の兄弟両方を見たご家庭があったのですが、上の子は優等生タイプだったのに対し、下の子は先生によって評価がものすごく分かれるタイプでした。親御さんは上の子はもし中学受験がダメだったら公立でもいいけれど、下の子は私立じゃないと厳しいと思う、とおっしゃっていて。学校でのさまざまなエピソードをお聞きし、二人と接する中で確かにそうかもと思って、弟さんには中学受験頑張ろうよ、と声掛けしていましたね。
矢萩:小学校でも中学校でも、公立には同じような価値観に基づいた構造がありますが、どうしてもそれに合わない生徒はいるわけです。それでも公立中に行ったら、内申のために価値観や性格の合わない教師にも合わせてやってく必要はあります。
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