矢萩:もしそれが苦痛なのであれば、私立を選ぶのもアリかもしれません。最近はアカハラ(アカデミックハラスメント)をなくそうと努力している学校も増えているので、先生と仲が悪いからってものすごくマイナス評価を付けつけられたというような話を聞くことは少なくなってきましたが、先生との関係が悪いといざというときに全然手を貸してくれない、助けてもらえないことは想定しておいたほうがいいです。もちろん、それは私立でもあるのですが、公立のほうが担任とうまくいかないときの対策が難しく、きつい状況になりがちです。
公立中高一貫校では小学校の内申を見るところも
安浪:内申を重視している学校は中学入試でもあります。例えば、ある子はとある公立中高一貫校を受験しました。その子は小5の時の担任の先生とすごく相性が悪くて、あらゆることを否定されていたんですが、6年生の時の担任の先生は全部肯定的に捉えてくれたんです。ただ、受験した学校は5年生、6年生の2年分の内申が必要で、学科の点数はクリアしていたのにどうやら5年の時の内申が悪すぎて落ちた、という話を聞いて、背筋が凍りました。
矢萩:全部の学校ではないですが、一部の公立中高一貫校は内申をよく見るところがありますね。私立はほとんど関係ありませんが。
安浪:ただ、公立中学に行って先生に嫌われないようにうまく立ち回ることと、小学生が中学受験の勉強することと、どっちが大変なんだろうって思うと、中学受験もすごく大変なんですが……って思いますけどね。内申を避けるために中学受験を選択した場合、親子で走り切れるのかな、という心配があります。
矢萩:住んでいる地域にもよるでしょうね。私立の数があまりない場所に住んでいる場合は悩むところかもしれないですね。あとは公立の場合、先生が受験の主導権を握ってしまうことが多いです。あなたはこの学校だよね、とか、ここかここのどちらかだね、みたいな感じで決め打ちされてしまうことが多分にあります。その進路指導の通りにしないと先生との関係が悪くなりそうだけど、どうしたらいいか、という相談を受けたこともあります。
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