安浪:そういう意味では、首都圏の場合は私立受験ほうが選択肢は多くなりますね。やはり当日の点数で決まる中学受験の試験はすごくシンプルで潔いのは確かです。ただそこに至るまでの過程が大変ですよ、という話であって。安易な考えで踏み込める世界ではないことは確かです。
英語が決め手になる場合もある
矢萩:あとは、英語が決め手の一つになる場合があります。つまり、中学受験だったら基本的に英語はありませんが、中学でどうしても英語ができなくて、5教科の平均点の足を引っ張ってしまって、結果内申も悪くなってしまう、というケースがあるんですよ。だから、英語に抵抗がないかどうかも、中学受験か高校受験かを選択する一つの評価軸になると思います。英語との相性と、公立タイプの先生との相性。この二つは結構大きいとは思います。
安浪:もし質問者さんのお子さんが担任の先生とそれなりにうまくやれているのであれば、中学の内申をそれほど怖がる必要もないんじゃないか、とは思います。
矢萩:僕の教え子でも、公立に行ってあわなかった生徒、私立に行ってあわなかった生徒、どちらもいます。でもそれって、前もってわからないじゃなですか。事前情報ではバッチリだと思っていたのに全然あわなかった、ということもあるし。最近の事例だと、私立に行ってあわなかった生徒が不登校になってしまい、高校からN高に行きました。公立に行ってあわなかった生徒はフリースクールに編入しました。他にも、進学した私立にあわなくて、結局高校には行かずに塾にだけ通いながら高認試験(高等学校卒業程度認定試験)を経て大学に行った生徒も何人かいます。もしあわなかったときは、フットワーク軽くもっと良い環境を探していこう、という心構えさえあれば、今は結構いろいろな道があるのでそれほど心配はいらないと思います。別の場所に行って、そこから改めて次の目標や夢に向かって立て直していければいいのかなと思います。
(構成/教育エディター・江口祐子)