子育てをしていると、よその子と比較して、できていないところばかりに目がいってしまうこと、ありますよね。3人の男子を子育て中のコミックエッセイストtomekkoさんは、スローペースな特性がある長男の卒業式で、「私は6年間、どれだけ彼の成長を見逃してきたんだろう」という思いに至ったといいます。「発達障がいかどうかを気にするのをやめよう」と決意した理由を、tomekkoさんが綴りました。
この春ご卒園・ご卒業のみなさま、おめでとうございます。わが家の長男も先日6年間の小学校生活を終えました。
彼がちょうど1年生になるタイミングから始まった季刊誌AERA with Kidsの連載では季節折々、その年ならではの体験や思いを綴ってきました。連載を6年分振り返ってみると悲喜交々、大きくなっていく子のまわりでいつもジタバタと取り乱してきた自分もまた、引きで見れば多少なりとも成長したのでしょうか……。
“脱”カンペキ親修行
という連載タイトルは、カンペキ母な私がちょっと力を緩めるアドバイスをみなさんに、ということではもちろんなく。
「“優れた”“良き”親でなければ!!」という身の程知らずな理想像の呪縛から自分自身が抜け出したい、そんな意味の“脱”でした。
子どもにとって最良の選択や体験になるよう努めるけれど、親だって子育て初心者。試行錯誤したりオロオロしたり、時には大の字になって天を仰ぐ姿を見せてもいい。大人も子どももたくさん失敗して、それを楽しく笑い飛ばしながらひとつひとつ学び取って大切な子育て期間を過ごせたら……。
……なんてね?
たいそうなタイトルを掲げながら6年間、呪縛からはなかなか抜け出せませんでしたよ。長男に赤ちゃんの頃から時々感じていた違和感。育てにくいわけではないけれど一般的な子どもとして表される特徴とは違う様子に小学校時代もずっとモヤモヤ、イライラ。
特に何事もスローペースだったり他者とのコミュニケーションに消極的だったりといった部分にはずいぶん不安を感じ、本人にもくどくどぶつけてしまいました。
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