12月の3週間で国語の成績がアップ

――塾の先生など誰かに相談はされましたか?

 12月にユーチューバーで受験指導専門家のにしむら先生と対談する機会があって。「もうどうしたらいいかわからないです」と相談したら、家庭教師を紹介してくださったんです。本番がせまっているし、今さらと思ったのですが「まだ可能性はありますよ」と言われて。

――家庭教師をつけていかがでしたか?

 とにかくやさしくて、褒めてくれる先生なんです。国語は過去問をやっても解答用紙がほぼ真っ白状態だったのですが、1問埋めただけで褒めてくれて。3週間後くらいには、過去問の合格最低点をとれるくらいまでになったんです。

――すごい! 理科はどうしましたか?

 理科は好きな単元と嫌いな単元の差が激しくて。嫌いな単元は全くやっていなかったので、その家庭教師の先生が国語を見るついでに、基礎的な問題集の中からやってこなかった単元をピックアップしてくれて、重点的にやりました。

いよいよ迎えた本番当日に「受験やだなー」

――志望校選びはどうされましたか?

 本人の意思がはっきりしていたので、尊重しました。「算数の過去問に図形問題が多いからこの学校に行きたい」とか、親とはかなり違う独自の視点なのですが(笑)。

――本番期間の息子さんの様子はどうでしたか?

「絶対に受かってやる」みたいな受験生特有の雰囲気が全くないんですよ。息子は志望校のとあるコースに行くことを熱望していたんです。でもそのコースの受験日の朝も「受験やだなー」ってグズグズしていて。

――結果は?

 学校に受かっても志望のコースには落ちてしまったんです。結果を知ってから1時間くらいうずくまって泣いていて。どうしようかと思ったのですが、自分で泣きやんで黙って残りの受験校の過去問をやり始めたんです。

――スイッチが入ったんですね。自ら取り組んだのはそれが初めてだったんですか。

 そうなんです。試験が近づいてくると、本番当日に合わせて朝型の生活に切り替えていくものですよね。息子はそれもできていなかったのですが、残り2校の受験日は、朝目覚まし時計が鳴ったらすぐに起き、朝ごはんを食べて着替え、出発までの時間、ソファに座って理科の暗記をしていたんです。初めて「受験生っぽいな」と思いました。

次のページへ自分で経験することが大事
1 2 3