おねしょに悩む子どもは意外と多く、5歳で15%、7歳で10%の子におねしょ(夜尿症)があると言われています。成長とともに自然と治っていくケースが大半ですが、近年は治療の意義が注目されています。受診の目安や生活習慣の対策について、専門家に聞きました。
【図版】子どものおねしょを防ぐ、生活での3つのポイントはこちらおねしょがある場合の受診のタイミングとは?
5歳を過ぎて1カ月に1回以上のおねしょが3カ月以上ある状態を「夜尿症」といい、治療の対象となります。治療せずとも成長につれて自然と治るケースがほとんどですが、おねしょが長引くと子どもの自尊心が低下し、学校生活や友人関係に影響が出ることがわかっています。一方、治療をすると半年後までに約8割の子どもの症状が軽快し、自己評価も回復するという報告があります。受診のタイミングについて、順天堂大学医学部附属浦安病院小児科で「腎臓・夜尿症・尿失禁外来」を担当する西﨑直人医師は次のポイントを挙げています。
日中のおもらしもある場合は、先天性の尿路異常や下部尿路感染症など背景に病気がある可能性が高くなるので、小学校に上がる前でも受診したほうがいいとのこと。
「年齢とともに夜尿症がある子どもは減っていきますが、反対に受診率は学年が上がるほど高くなります。しかし低学年のうちに受診したほうが、治るのも早く、高学年の宿泊行事までに余裕をもって治療を進められます」(西﨑医師)
では、どの病院を受診すればいいのでしょうか。尿に関連する診療科といえば、泌尿器科や腎臓内科ですが、西﨑医師は「夜尿症の背景はさまざまで、発達障害などが関わることもあります。まずは小児科を受診してはどうでしょうか」と言います。ただし小児科の中には夜尿症の治療を積極的に実施していない病院もあります。
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