――大声で怒ったりはしないんですね?

 しません。以前はすぐ怒っていたんですけど、子どもを怒りで制圧しちゃっていることに気づいて……それはよくないかなぁって。

 怒りでコントロールしようとすると、子どもはその場しのぎの言い訳をするようになると思うんです。ウソをついたりするようになっちゃうかもしれない。

 でも、本当に学んでほしいのは同じ失敗をしない方法ですよね。そのためには、どういう状況で失敗したのか、なんでそうしちゃったのか、自分の気持ちを言い表せる言語力をつけてほしい。だから怒るんじゃなくて、言葉を引き出すようにしています。そのうえで、どうすればよかったのかも説明していますね。

――怒らなくても伝わりますか?

 伝わります。お兄ちゃんは賢いので、ちゃんとわかります。あ、でも子どもですから次の日にはケロッと忘れちゃうことが多いので、反復練習は必要ですね(笑)。

――「お兄ちゃんは賢い」ってサラリと話すお父さん、素敵ですね。本人にも言うんですか?

 言いますよ。「さすがだね」「賢いね」って、いつも言います。今日も宿題が全問正解だったので、めちゃくちゃほめました。ほめ言葉はケチりませんよ、大盤振る舞いです。支払い過剰かもしれません(笑)。

 下の子もほめますよ。トイレでできたときとか、お手伝いしたときとか。あとは……もう、とにかくかわいいので(笑)。かわいい、かわいいってほめています。

――子どもに怒ることは全然ないんですか?

 キャッチボールしてるときに、息子があらぬ方向に投げたときには怒ります。だって面倒臭いじゃないですか、ボール拾いにいくのって(笑)。

(取材・文/神 素子)

※後編<あばれる君が子育てで大切にしている3つの“モットー”とは 「子育てって二度と味わえない瞬間の連続」>に続く

撮影/馬場岳人(写真映像部) スタイリスト/こむらひかる(スリーゲート)
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