「詰め込み」「偏差値」というイメージが強い中学受験。「受験のための勉強は子どもの将来に役に立つの?」「難易度より、子どもを伸ばしてくれる学校を選びたい」といった悩みを抱えている親御さんも増えています。思い切って「偏差値」というものさしから一度離れて、中学受験を考えてみては――。こう提案するのは、探究学習の第一人者である矢萩邦彦さんと、「きょうこ先生」としておなじみのプロ家庭教師・安浪京子さんです。今回は学校選択に関するお悩みです。
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■高偏差値校=選択肢が広がる、は「先入観」
矢萩:このご質問にはいくつかポイントがあると思いますが、たぶんメインのご質問は偏差値と将来の選択肢の相関についてでしょうか。もし、この方が子どもの選択肢を広げるためには高偏差値の学校がいい、と思っているならそれは先入観です。
安浪:わかります。いわゆる進学校になればなるほど選択肢が狭まることってあります。東大じゃないと、医学部じゃないと、というような風潮が学校全体にあるとか。卒業生を見たらわかりますよね。
矢萩:例えば僕が通っていた学校は医者や学者、商社マン、システムエンジニアをかなりの数輩出していたけれど、アートやクリエイティブ系、起業家、個人事業主はほとんどいませんでした。僕自身、アート系を目指そうとしたのですが全方位から否定されました。そんなことやってなんになると。もちろん高偏差値の学校が全部そうかっていうとそんなことはなくて学校によりますけど。ただ学校ごとに色があるので、学校の方針はもちろん、同級生たちがどういうマインドを持っているのか、どういう人たちが集まりがちな学校なのかというところはよく見たほうがいいでしょうね。
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