ちなみによしおは高校2年生のとき、漫画の力を借りて告白したことがある。野球漫画の名作『タッチ』って知っているかな? 登場人物の上杉達也が幼なじみの浅倉南に告白するシーンに、「上杉達也は浅倉南を愛しています。世界中のだれよりも」っていう名セリフがあるんだ。それをよしおは真似して名前を変えて好きな子の家の前で叫んだんだよね。結果は、みんなの予想通り撃沈。どこかで「まあ、これ俺のセリフじゃないしな」って思いながら言っていたこともあって、気持ちが伝わらなかったんだ。伝えるなら、自分の言葉で伝えるべきだなあ、って学んだ出来事(苦笑)。
最後に、これは余計なお世話だと思うけど、両思いじゃなかった場合の対処法も伝えておくね。周りの友だちや後輩たちに聞いたら、次の恋が忘れさせてくれるとか、笑い話にしちゃうとか、時間が解決しましたよとか、友だちに共有して傷を癒やしたとかって経験を話してくれたよ。面白かったのが、失恋して「きれいになってやる!」って思って水泳を始めたら、水泳に夢中になって失恋のことなんかいつの間にか忘れていたんだって。
だからもし気持ちを伝えて両思いじゃなかったとしても、次の恋でも、新しい趣味でも、何か別の色を足していくことはできるから、それは覚えておいてほしいな! 中田ちゃんがいつか気持ちを伝えられますように。
……って、僕は思うんだけど、君はどう思うかな?
(構成/濱田ももこ)
小島よしおのボクといっしょに考えよう
小島 よしお
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