サッカーや野球やけん玉の技を「見てて!」と何度でもチャレンジする先には、できたときに喜んでくれる家族の笑顔がもう見えているのかも。

 ま、お菓子が食べたい、ジュースのお代わりがしたいなどのどう考えてもただの私欲だろってのにも日々向き合ってる身からすると、そうそうきれいにまとめるのも気が進まないのですが……(笑)。要求を叶えた先に何が見えているか、という視点は目から鱗でした。

 その視点で兄弟たちも見てみると……。

 基本的にもらったお金は使わず貯めておく長男は、次男とは反対に慎重で欲がない、資産運用においては守りのタイプだなーと思っていたんですが、ときおり弟たちが好きそうなおもちゃを調べては、

「これぼくのお金で三男くんに買ってあげちゃだめ?」

 と訊いてきたりするんです。クリスマスでも誕生日でもないし、なによりそれはあなたのお金だから自分のために使いなさい、と却下するのですが、彼は彼で「家族の喜ぶ顔を見るためにお金を使いたい」と思っている、ということなんですよね。

 三男は……まだまだお金との付き合い方はこれからなので未知数ですが、兄たちに影響されてお金を得ることよりも「使う」ほうに魅力を感じている様子。先日は次男が自分で描いた仮面ライダーの絵を切り抜いてグッズ化しては怪しげな商売を始めたところ、まんまと10円でカモられそうになっている弟を発見して止めたところです(汗)。

 こんな時代だからというのもあるかもしれませんが、大人になるとお金は得ることにのみ喜びを感じ、支払うことの多くが「犠牲」や「搾取」のように否定的に捉えがちになりますよね。私にだって子どもの頃はあって、純粋に欲しいものを得て笑顔になるための楽しい「交換」だった時代があったはずなのに。

 わが子たちが自分のお金を支払う行動のその先に、家族の笑顔や楽しい時間を想像できているなら素敵なことだし、大人もその感覚はちょっと見習いたいなぁ、としおらしいことを思ったその矢先――。

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