現在、マイナンバーカードをめぐるさまざまなトラブルが見つかっています。カードを持つか持たないかは任意ですが、2021年ごろから国は、マイナポイントを付与することで普及に力を入れてきました。持てば便利になるはずなのに、なぜ問題やトラブルが起きているのでしょうか。ジャーナリストの一色清さんに聞きました。発売中の「AERA with Kids2023秋号」から抜粋して紹介します。

MENU Q)マイナンバーカードってどういうもの? Q)マイナカードの何が問題になっているの? Q)これからどうなっていくの?

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Q)マイナンバーカードってどういうもの?

A)マイナンバーカード(以下マイナカード)とは、マイナンバーという個人番号が記載された顔写真付きのカードです。2016年、国民一人ひとりに12桁のマイナンバーが割り当てられました。マイナンバーは、日本国内に住民票がある人には全員付与されています。そのマイナンバーが本人のものであることを証明するのがマイナカードです。

 マイナカードには、ICチップが埋め込まれています。ここには氏名・住所・生年月日・性別・個人番号・本人の写真、電子証明書などの情報が入っていて、税金や年金、保険、所得、医療情報、健康保険証など、29項目の本人情報とひもづけられています。情報がデジタル化されているので、マイナカードがあると、役所の仕事が効率化されてスムーズになり、窓口まで行かなくても行政サービスが受けられる、税金・年金・保険などの情報が透明化され、税金逃れなどが防げるので、公平公正な社会になるなど、国や行政にも、国民にもメリットがあるとされています。

 ただし自動的に付与されるマイナンバーと違い、マイナカードを持つかどうかは任意です。そのため当初は普及がなかなか進まず、国は最大2万円分のマイナポイントをつけて普及を急ぎました。その結果、23年6月末時点で国民の約70%がマイナカードを取得しています。

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一色清
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