私立小学校の初年度学費ランキング21~30位

 親の資金力については学校側も気にしており、面接の際に学費を払い続けられるかを聞かれるケースもあるという。

「自宅の不動産について、持ち家かどうか、戸建てかマンションかなどを見られるという話も聞きますね。親の職業を見られることもあるようです」 

「私立小学校の初年度学費ランキング」が示すように、首都圏には文科省が示す6年間の学校教育費の平均額である576万6千円を超える私立学校が20校以上もある。初年度学費の高さも目立つが、これは入学時に学費のほかに寄付金の納入が定められているケースが多いためだ。

「寄付金もありますが、そもそも小学校の受験対策にも100万円単位のお金がかかります。お子さんが二人いればかかる金額も倍になります」

 藤川さんは、私立小学校の学習費を固定費の削減といった節約で捻出するのは無理があると指摘する。

「月数万円の削減では効果が薄いと言わざるを得ません。また資産運用で手持ちの資金を増やすことも、10年程度のスパンで運用できる金額でなければ成果は出にくく、現実的ではありません」

 2008年、世界的な株価下落や金融危機を引き起こしたリーマン・ショックの際には、リストラにあったり、運用していた資産が目減りして学習費を用意できなくなり、公立校に転校せざるを得なくなった例もあったという。

「こうした悲劇を避けるためにも、教育のマネープランは長期的視野で立てるべきです。私立小学校受験を検討する時点で十分な資金力がない場合は、無理をしないことをおすすめしています」

祖父母の教育費援助は課税の対象外になる

 世帯年収の面で厳しい場合には、子どもの祖父母に教育費を用意してもらう方法もある。祖父母から資金援助を受ける場合、2026年3月末まで延長となった「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置」を有効に活用したい。銀行など金融機関に専用口座を開設して祖父母から教育資金の贈与を受けた場合、孫1人あたり最大1500万円まで非課税となる。藤川さんはこう補足する。

「一括贈与は途中で祖父母が他界するリスクに備えることができますので、早めに贈与してもらう際に有効です」

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