スクールカラーを知って志望校を決める
私立小学校通いで意外に大きな出費となるのが、親同士の交際費だという。藤川さんは苦笑交じりにこう明かす。
「親同士の集いは断りにくいものですが、ホテルのラウンジなどでお茶会をすれば1回数千円かかるんですよね。すべて参加すると大きな出費になるので、時には断ることも必要でしょう」
加えて、他の家庭と自分たちを比べない強いハートも必要だと話す。
「例えば、家族ぐるみでのお付き合いで遊びに行ったときに、外車がズラッと並んでいる中で、わが家だけ国産車だとします。こうしたヒエラルキーが明らかになる機会はしょっちゅうあるので、いちいち気にしてしまうタイプの人には、私立小学校をおすすめしません。経済面だけでなくて、メンタル面でも覚悟が必要です」
そうした面でも、学校のカラーを知ったうえで志望校を選択することが大切だと話す。「教育方針や特徴的なカリキュラム、卒業生の進路などから学校と子どもとの相性を考えるのはもちろんのこと、家庭との相性も考慮しましょう。親の職業や収入、さらに学校教育に親の参加がどの程度必要かなど、自分たちとマッチする学校を選ぶことが重要です」
私立小学校のハードルは高いものの、「学習環境や人的環境の良さは特筆に値するものがある」と話す藤川さん。
「独自の教育方針のもと、のびのびと個性的に成長する子どもが多い。自分の子どものことを振り返っても、公立小学校にはない、得難い経験だったと思います」
私立小学校の受験にあたり、藤川さんは改めて「親の資金力と覚悟は欠かせません」と強調する。私立小学校の6年間はもちろんのこと、その先を見越したマネープランづくりが、わが子の未来を支えるのだ。
※AERAムック『AERA English特別号「英語に強くなる小学校選び2024」』より
(文・上野裕子)
朝日新聞出版