一方、祖父母が孫の教育費が必要になったタイミングでその都度払う場合は、贈与の非課税枠である年間110万円を超えても非課税となる。「制度をしっかりと理解して、祖父母も含めて教育費を準備するのは有効です。両親と父方と母方それぞれの祖父母という『6ポケッツ』で教育資金を捻出できれば、一定の余裕が生まれます」

 祖父母に教育費を援助してもらう場合、親が祖父母に私立小学校に行かせる意義をしっかり伝えられるかがポイントになる。

「祖父母自身が子どもを私立小学校に通わせていれば理解してもらえると思いますが、子どもを公立に通わせていた場合は、私立小学校に通学させる価値を理解しづらいケースもあります。孫がある程度成長して『この中学・高校に行きたい』と言えば祖父母も断れないでしょうが、小学校受験は親の意思ですから、親がどれだけ覚悟をもっているかが問われます」

 私立小学校でかかる費用は、学習費だけではない。夏服と冬服がある制服やスクールバッグ、靴、上履き、体操服などは学校指定が主流で、「入学時だけで十数万円はかかります」と藤川さん。小学生の場合は体の成長に合わせて1、2年ごとに買い替える必要があるため、予想外の出費がかさむ。

想定外の出費となる学校外学習費

 校外学習の費用を別途、積み立てる学校もある。サマーキャンプやスキー合宿など行事の積み立てで年間15万円ほどかかるケースや、高学年時に海外研修プログラムに参加する場合は50万〜80万円程度かかることも。入学時には想定外のこうした出費に備えることも必要だ。

 さらに、私立小学校に通う子どもの多くが塾に通っていることも見逃せない。藤川さんは、学校のカラーに注目する必要があると指摘する。

「大学が併設されている学校でも、いわゆるエスカレーター式で進学するばかりではありません。他大学への進学を積極的に推進し受験勉強のサポートをしている学校も多くあります。また私立小学校入学後も、子どもが望んだ進路を選択できるように、塾に通わせている家庭が多い。塾代は想定しておいたほうがいいでしょう」

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