今年の夏は子どもとお出かけをした家庭も多いと思いますが、「ここで○○を学ばせなければ」「○○に今気づかせなければ」と、子どもに何かを「学ばせよう」とする気持ちになったこと、ありませんか。でも、ただ夢中になって何かを吸収している姿を見ていると、親が気付きを与えるのがいいのか、見守って任せるのがいいのか、悩んでしまいます。小6から年中までの3兄弟を育てるコミックエッセイストのtomekkoさんが、子どもたちと過ごすなかで見えてきた「学ばせ呪縛の手放し方」について綴ってくれました。
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少子化進む今日でも、いやだからこそなのでしょうか。教育研究の進化が目覚ましいですね。子どもにとってよりよい学び方、例えば疑問を分析・考察しながら学びを深める探究学習や、遊びの中で自ら学びを発見するアクティブ・ラーニングなど、私たちの小学生時代にはなかったような素敵な学習方法をあらゆるところで目にします。夏休みなんて非日常体験を絶好の機会と考えて予定を組んだご家庭も多いのではないかと思います。
どうでしたか? そこに新たな学びやキラキラと目を輝かせて探究する子どもの姿は見られましたか?
わが家の3兄弟は、ぜーんぜんでした(笑)。
「すっげー! 美味しかった! 楽しかった!」で終わり。
でもうちはこれでいいんだ、と最近は思っています。
この夏、今は戦国オタクになっている長男の希望で大阪城に行きました(あ…つかっ…た…)。まだお堀にもたどり着かない石段を二人でぜぇはぁ言いながら上っているとき、長男がボソッと呟きました。
「お城に階段や坂がたくさんあるのは、やっぱり敵に攻め込まれたときにこうやって相手を疲れさせるためなのかなぁ?」
こちとら息が上がって返事もできずにいると、偶然にも少し離れたところを上っている同じくらいの小学生連れのお父さんの声が聞こえてきました。
「ほらっ、自由研究なんだからちゃんと考えてごらん! なんでお城の周りにはこんなにたくさん坂や階段があると思う!?」
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