スーパーマーケットを観察してみよう

 毎日、さまざまな商品が入れ替わり並ぶスーパーマーケットは、いちばんスピーディーに、リアルに世の中の動向を実感できる場所。社会科の目で見ると、日本だけでなく世界の情勢まで見えてきます!

・モノの値段を比べる

 身のまわりのモノの値段は、実は毎日変化していることを確かめよう。

「モノの値段は、いろいろな視点で見ることができます。野菜などの値段の相場を知りましょう。とくに生鮮食品は乱高下しやすいもの。複数のスーパーで、同じ商品の値段を比べたり、国産や輸入品、オーガニック商品の値段の違いはなぜ生まれるのかを考えたりするのもおもしろいですね」(馬屋原先生)

 今、外せないのはなんといっても卵の価格高騰の話題。

「鳥インフルエンザの流行や飼料価格の高騰など、原因を親子で調べてみましょう。日本の家畜の飼料はほぼ輸入に頼っていること、ウクライナやロシアが世界的な穀物の産地であることなど、別のニュースが意外なところでつながることも!」(馬屋原先生)

・野菜の産地を確認しよう

 野菜の産地は、教科書で覚えるよりスーパーマーケットで実際に目にするほうがずっと楽しい。

「十勝平野でじゃがいもなどの地中にできる野菜が多く生産されていたり、東京近辺でほうれんそうや小松菜といった青菜が多く生産されていたりするのはなぜでしょう。産地だけではなく、そこで生産がさかんな理由とあわせて覚えておきたいところです」

「顔が見える野菜」のように、パッケージのQRコードを読み取ると、生産者のプロフィルや食材の情報を詳しく見ることができる食品が増えています。

「生産から、消費者の手に渡るまでの過程が見える『トレーサビリティー』の仕組みです。消費者には安心感も提供されます」

・野菜の旬を知る

 かぼちゃの旬は秋から冬。夏、店頭に並ぶのは、南半球のニュージーランドなどからの輸入が多数。

「野菜の旬も、観察してみるとおもしろいですよ。旬を知っていると、促成栽培や抑制栽培など、時期をずらして出荷するという農業の工夫が理解できます。ぜひ、野菜の旬はひとこと教えてあげましょう。知識があって、その現物が目の前にあることで、グンと関心が高まるのです」

※「AERA with Kids 2023年夏号」(朝日新聞出版)から一部抜粋。

(取材・文/AERA with Kids編集部)

馬屋原吉博先生
馬屋原吉博先生
AERA with Kids (アエラ ウィズ キッズ) 2023年 夏号 [雑誌]

朝日新聞出版

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AERA with Kids編集部
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