ついつい「そんなことないです」って言っちゃうこともあると思うけど、「できないんです。苦手なんです」って否定するのは、エネルギーを使うよね。先生の「どうしてできないの?」って言葉はこれからも笑って聞き流して、苦手な物語文を克服することにエネルギーを使ってみるのはどうかな?

■苦手克服のカギは“アイテム”との出合い?

 その前に、よしおが苦手だったことを克服した話を聞いてくれるかな? 最近のよしおは絵を描くことにはまっているんだ。というのも、最近ヨガ講師の資格を取ったんだけど、キッズヨガっていうジャンルがあることを知ってね。少しでもそのキッズヨガの時間を楽しいものにするために、一緒にヨガをやってくれるキャラクターを自分で作っているんだ。森の妖精木ぃ爺とか、うなぎ足のニョロ助とか、いろんなキャラクターを絵で描いているんだよ。

 だけどよしお、小中学校のころの図工や美術の成績は2とか1だった。成績が悪いから授業も好きじゃなくなっていってね。いまになって「なんで嫌だったんだろう」って考えると、当時は「うまい・へた」で評価されて、しかも成績が数字で出てきたからだと思うんだ。成績が悪い、いい評価がもらえないから嫌いになって、嫌いになるから楽しめない、っていう悪循環があった気がするなあ。

 じゃあなんでいま絵を描くのが楽しいのかっていうと、「評価されない」っていうのもあるかもしれないけど、あるアイテムと出合ったことが大きなきっかけだったんだ。そのアイテムは、120色のペンボックス! 奥さんが持っていたものなんだけど、それを見たら心がときめいちゃってね。そのペンたちを使ってカラフルな絵を描いたらすごく楽しくて。苦手から好きへ、そのペンたちが絵との距離を縮めてくれたんだ。

■試験問題をエンタメとして楽しんでみよう!

 サンちゃんにとって、物語文への苦手意識を、好きのほうへ近づけてくれるアイテムは何があるかな? ときめく気持ちはサンちゃんにしかわからないから、よしおはその方法をいくつか提案してみるね。

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