まず、テストに問題として出てきた物語文を、問題文として読むんじゃなくて「物語」として読んでみるのはどうだろう? きっと試験に出される作品は名作と言われるものが多いんじゃないかな。よしおの経験上、名作というものは読めば読むほど味わいや気づきが生まれるものが多い。少しでも気になる作品に出合ったら、エンターテインメントとして楽しんで読んでみるのはおすすめかな。

 それから、よしおの周りにいる国語が得意な人は、本をたくさん読んでいる。これは即効性のある方法ではないかもしれないけど、これから大学受験や就職試験を経験するときに、文章を読む力はとても役に立つと思う。

 ただ、苦手意識があると長い文章は少し抵抗があるかも。星新一さんって知っているかな? 「ショートショート」っていう、短編小説よりも短い小説のジャンルを定着させた小説家なんだけど、星新一さんの本はとってもおすすめ。短いし、わかりやすくて面白い! 気が向いたらぜひ手にとってみてね。

 文章を読むこと自体に苦手意識があるなら、映画や漫画という手もあるよ。いま、小説が原作になっている映画やドラマってたくさんあるよね? アニメや漫画が小説化されていることもある。そういう作品なら、映像や絵が先に頭に入っているから、文章が追いやすいかもしれないね。好きだな、面白いな、って思う作品があったらチャレンジしてほしいな。

 このなかの何かひとつでも、苦手を克服するための“アイテム”になるといいな。このアイテム探しは、苦手って気持ちがあるとなかなか進まないかもしれない。自分に嘘をついてわざわざ好きって思う必要はないけど、一度苦手という気持ちを、サンちゃんが得意な「流す力」で受け流して、物語文に接してみるっていうのも大事かも。

 それから、サンちゃんは「女の子は国語が得意なイメージがある」って言うけど、本当にそうかな? いまは理系で活躍している女性もいるし、もちろん小説家や映画監督なんかで活躍している女性もたくさん。逆に、国語が得意で本が好きな男性もたくさんいるよね。

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