安田教育研究所 安田 理代表(本人提供)
安田教育研究所 安田 理代表(本人提供)

■寮で選ぶ

 子どもが大人になる過程で、親からの自立は欠かせない。寮生活では身の回りのことを自分でするので、必然的に自立が促される。

 中学受験の需要は首都圏に集中しているが、安田さんは「初めての土地で過ごす経験は人を大きく成長させるもの。寮がある学校は、個人的にはとてもいい選択肢だと思います」と断言する。

 寮には全国のさまざまな地域から子どもが集まることが多い。こうした出会いによって視野が広がり、子どものさらなる成長にもつながる。

 確認しておきたいのは寮の形式や特色だ。大部屋か個室か、規律は厳しいか自治重視か、家事の負担はどこまでかなど。わが子の性格も考慮して絞っていけるとベストだ。

「例えば函館ラ・サールのように、中学生時代は50人規模の大部屋で生活する寮もあります。楽しめる子もいれば、プライバシーがなくつらいという子もいるかもしれません」

 わが子に一番合う学校は、偏差値や進学実績だけを見ていてはわからない。子どものことも学校のことも、幅広い視野でじっくり見ることが必要だ。

安田教育研究所 安田 理代表
早稲田大学卒業後、大手出版社で受験情報誌、教育書籍の企画編集にあたる。2002年、独立。中学受験の専門家として、講演、執筆、情報発信、セミナーの開催、コンサルタントなど幅広く活躍中。

(阿部桃子) 

※AERAムック『偏差値だけに頼らない 中高一貫校選び2023』より

偏差値だけに頼らない 中高一貫校選び 2023 (AERAムック)

朝日新聞出版

偏差値だけに頼らない 中高一貫校選び 2023 (AERAムック)
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阿部桃子
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