安浪:そもそも息子さんの得意分野をじっくり伸ばすのが目的なら、中学受験でなくてもいいのかもしれないですが、「中学受験を目指している」と書かれているし、やはり志望校がそれなりのところであるならば、勉強する上である程度の科目バランスは必要です。入試は合計点ですから。矢萩さんがおっしゃるようにまずは家庭で国語と社会に対する壁を少しずつ取り除いてあげて、6年になったら塾に頼るとか。

矢萩:算数、物理ができるなら、国語もできるようになると思いますよ。ただ社会に関しては考える素材として、ある程度の知識が必要です。特に時事問題などはそうですね。知っているか、知っていないかがまずは前提にあるので、中学入試で言えば、地頭だけで解ける問題は、現状ではほとんどありません。僕がサポートをするとしたら、まずは国語を上げてから社会を考えるかな。

■国語の読解には型がある

安浪:私の会社でも、国語の集団オンライン講座を開講しているのですが、全4回の講座を通しただけで、偏差値がバーンと上がる子がいるんですね。つまり、国語って読解技術を得ることで変わるんです。コツを掴めば、1回の授業でも変わる子もいるみたいで。国語の読解技術に関しては、問題集などでも解説しているものもありますが、やはりしっかり教えてくれるところを探したほうがいいかもしれないですね。

矢萩:確かに、国語の読解って、型みたいなものがあります。こう問われている時はこう答えるんだよ、というように。こと受験国語の場合は、例え文章の本質を捉えていても、問いと答えの型がかみ合っていなければ点数になりません。

安浪:東大や京大の理系出身者の中には、全然読書習慣がないけれど、国語で点数が取れる人って一定数いますよね。彼らは国語の問題を解くための“読解技術”を使って解いている。それに加えて「出題者はこう答えてほしいんでしょ?」と俯瞰して問題を見ているんですよね。

矢萩:それが国語力かどうかはわからないですけど(笑)。国語的に言えば、その文章が「正しく」書かれているのであれば、文法上こういうところに筆者の主張がくるとか、こういう場合は登場人物の気持ちが実は言動と違うとか、そういう法則めいたものは存在しますね。

NEXT今までの環境、よかったねと息子さんに言いたい
1 2 3 4