安浪:私も「物語文と説明文を解く上で、それぞれの読み進め方がある」と国語の先生に聞いて目から鱗でした。あと、受験する以上は「場慣れ」も必要です。いくら学力がついていても、家で過去問の点数が取れても、それが入試本番のピリピリした空気の中で発揮できなければ点にはならない。大手塾の子は、頻繁にあるテストやクラス昇降でそういった面を鍛えています。また、テストは制限時間内に処理をしていく必要があります。よく「テストではできなかったけれど、家で解き直したらできる」という相談をいただくのですが、そりゃ家で時間を気にせず解けば解けるでしょうね、と。入試は制限時間の中での戦いだから、スピードも必要です。
矢萩:6年になったらそこは大事になってきますね。でも、今まで好きな勉強をじっくり学ばせてもらえる環境でよかったね、と、息子さんに言いたいかな。
安浪:本当にそうです。5年まではその時間はすごく大事。入試が近づくにつれ、じっくり考える時間も取れなくなってきますからね。逆に、低学年のうちから、大量の課題をとりあえずこなすような勉強方法が身についてしまうと、じっくり考える部分が失われてしまいます。時間のあるうちにこそ、あーでもないこーでもないと悩む勉強をしてほしいです。
矢萩:好きなことをじっくり学んで、それをやったうえで受験を考えているので、順番としても間違っていない。最初から決め打ちをしないで、試行錯誤もちゃんとしている。いい受験勉強だと思いますよ。
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(構成/教育エディター・江口祐子)
朝日新聞出版