私立小学校で6年間学ぶ場合、総額でどれくらいの費用がかかるのか。そして、子どもの成長を後押しする教育費をどのように用意すべきなのか。『AERA English特別号「英語に強くなる小学校選び2023」』では、文部科学省が発表したデータなども参考に、子育て費のやりくりにも詳しいファイナンシャルプランナーの前野彩さんに話を伺った。

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 進学先として私立小学校を検討する際、真っ先に行うべきは費用に関する情報収集だ。文部科学省の「平成30年度子供の学習費調査」によると、私立小学校に6年間通った場合の学校教育費の平均額は541万8429円、学習費総額は平均959万2145円にも上る。

 ファイナンシャルプランナーの前野彩さんは、「子どもを私立小学校へ通わせるのは親の意向がほぼすべてであり、そこには家庭の資金力が大きく関わってきます」と述べる。

「文科省による私立小学校の学習費総額を月換算すると、子ども1人あたり13万~14万円がかかることになります。この『1カ月:約14万円』という金額がポイントでしょう。『毎月この額を確実に準備し続けられるのか?』という部分が一つの基準です。仮に子ども2人を私立小学校に通わせた場合、ひと月に換算して約30万円が必要になります」

【図A】私立小学校の初年度学費ランキング TOP30(『英語に強くなる小学校選び2023』より)。資料提供:株式会社バレクセル2022年度調べ。調査対象は首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城)の私立98校。6年間推定は、初年度学費+2年次以降学費×5として推計。
【図A】私立小学校の初年度学費ランキング TOP30(『英語に強くなる小学校選び2023』より)。資料提供:株式会社バレクセル2022年度調べ。調査対象は首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城)の私立98校。6年間推定は、初年度学費+2年次以降学費×5として推計。

 図Aが示すとおり、首都圏には文科省が示す6年間の学校教育費の平均額、約542万円を超える私立小学校が20校以上もある。私立小学校の入学時には学費のほかに寄付金の納入が定められているケースもあり、「1口10万円、5口以上」と最低額を設けている学校も多い。 

 子どもを私立小学校に通わせた保護者の多くは、授業料以外の出費も想定しておくべきだとアドバイスをする。サマーキャンプやスキー合宿、海外への短期留学のような課外活動、さらには習いごとや中学受験対策として塾に通う際の費用も発生する。前野さんがつけ加える。

「入学時の寄付金の存在やその金額に驚いているようでは、正直なところ厳しいと思います。宿泊学習など学校行事にかかる費用や塾代なども受け入れられる収入がないと、子どもを私立小学校に通わせるのは難しいでしょう」

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磯田智見
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