■いかに短時間で勉強を終わらせるかの工夫を
安浪:まず、下の子たちだけじゃなくて、家族全員が応援しているよ、という雰囲気を出してあげたいですね。「お兄ちゃんを邪魔しちゃダメ」じゃなく、「お兄ちゃん、頑張ってね」という声かけとか。でも、現実問題、4年生だったらまだ兄弟一緒に遊びたいと思うので、いかに短時間で勉強を終わらせるかの工夫をしたいですね。
以前共著を出した佐藤ママ(佐藤亮子さん)は、そのためにルーズリーフに算数の問題を1枚につき1問ずつ貼る方法を思いついたそうです。「これが終わったら遊んでいいよ」と渡してあげると子どもは頑張ってやりますから。ただ、これをやるにはお母さんの手間はかかります。
そもそも、全てのことを完璧にやるのは無理です。リビング学習をするなら、お兄ちゃんが勉強しているときは、下の子はイヤホンをしてテレビを見るとか、パーテーションで区切って個別スペースを作ってあげるとか、そういった小さい工夫をしていくのも大事でしょうね。
矢萩:家族の中の誰かが受験になったら、楽しそうなことや下の子もできそうなことがあったら一緒にやろうよ、と誘ってみるのもいいかと思います。僕の授業では最初にニュースを見て意見を言ったり、思考力型の問題をよくやるんですが、オンラインの授業だと弟や妹を呼んでくる生徒がいるんですよ。「お前はこれどう思う?」って。そうやって一緒に考えてみようよ、という関わり方はすごくいいと思います。弟や妹たちも「こういう問題を考えるのは面白い!」と思ったりしますよね。もちろん、全部の問題は難しいですけど、あなたにはまだ無理だから、ではなく、できそうなものや興味があるものは一緒にやってみよう、という姿勢が僕は好きですね。
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